羽根田商会オリジナル真空 超音波洗浄機 羽根田 インライン洗浄機

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佐藤:
今回は、羽根田商会オリジナルの真空 超音波洗浄機「羽根田インライン洗浄機」について、開発にかかわった坪井部長と、営業担当の安田君に話を聞きたいと思います。 初めに、商社の我々がどうして洗浄機を開発したのか、その経緯について聞きたいと思います。 この商品はD社様からご要望があって、D社様と洗浄機メーカーのサクラ精機さんと我々羽根田商会とで共同開発しましたよね。D社様からはどのような要望があったのですか?
坪井:
D社様からは「小型の洗浄機をインラインに使いたい。間口が小さくて、高さは1500o以下」というご要望をいただきました。大きな洗浄機で大量に洗浄するのが従来の方法なのですが、D社様はひとつのライン上で洗浄して次の工程へというような洗浄機をご要望されていました。 我々もぜひ開発したいと思いましたので、D社様に描いてもらった図面を持ってメーカーさんに話をしたところ、「お客様のニーズに応えられるならやりましょう」と言っていただき、その後、完成したのが「羽根田インライン洗浄機」です。
佐藤:
なるほど。D社様はバッチ式の大きな洗浄機で大量の部品をいっぺんに洗われていた。しかも何工程もあるため長いラインの巨大な洗浄機で洗浄しておられた。しかし、それを都度ラインの中で一つずつ洗って次の工程へまわす、というようにやっていきたいというご要望があったのですね。
坪井:
また、セル生産方式を取り入れたいとも言われていました。“誰がどのように行ったかが分かる”“生産量の変化に応じて増やしたり減らしたりできる”“省エネにも響く”ということで、根底にはその方式への移行が強かったように感じます。
佐藤:
セル生産方式は「屋台方式」とも言われていて、いくつかの屋台がその屋台ごと、それぞれの仕事をしていて、その屋台を順番にまわれば1周まわった時点である仕事が完結する、という方式のことですよね。その屋台のひとつに洗浄工程も組み込んでしまえば生産量に対しても非常に柔軟に対応できる、というトヨタ生産方式をそのまま具現化できるという話ですね。 あともう一つ、環境面の話。昔は洗浄に有機溶剤を使っていましたよね。サクラ精機さんは違いますが、そのようなやり方は何方式というのですか?
坪井:
真空超音波方式と言います。減圧して真空化にすることで溶剤を外に出さない、いわゆる一槽の中で全部完結してしまう、というような方式です。
佐藤:
開発の対象となった洗浄機の溶剤は?
安田:
今回対象になったのは「炭化水素」という液を使ったものです。炭化水素は引火性の液なので、炭化水素の洗浄機は、防爆仕様で消火器も付いていて5m・8m・10mという大振りなものが多いんです。サクラ精機さんはもともと「F1クリーン」という“コンパクト”をコンセプトにした洗浄機がありましたので、その設計思想を炭化水素を使う洗浄機にも展開出来ないかなぁと思っていました。開発に向けて課題も色々とあったのですが、お客様のニーズに対し何度もすり合わせを行い、D社様に何度もご提案して作り上げていきました。
佐藤:
このインライン洗浄機は世界最小ではないか、とも言われていますが、どういう意味で世界最小なんですか?
安田:
先程も少しお話した通り、この洗浄機は“真空”という技術を使っています。 
佐藤:
それも一つの槽で。
安田:
そうです。サクラ精機さんの技術により、一つの槽で洗浄工程を全て完結させてしまうことが出来ました。通常は、洗浄、リンス、乾燥、という単純に行っても3工程、またその工程を何回か組み込んで行っています。サクラ精機さんの技術は、一槽に対してリザーブタンクという予備のタンクがあり、そこからの供給と回収、2個目のリザーブタンクからの供給と回収、ということの出来る特殊な技術なんですね。その様な技術を使ってコンパクト化が実現できている、というところで世界最小ではないかと言われています。
佐藤:
「F1クリーン」は、コンパクトと言ってもまだ大きかったのですか?
安田:
そうですね。
坪井:
「F1クリーン」のすぐ後に「F1クリーンミニ」という洗浄機も出たんですが、それでもD社様のニーズには応えられなかった。そこで我々がサクラ精機さんと共同して、更にコンパクトな洗浄機を作ったということになります。
佐藤:
もともとサクラ精機さんが持っていた技術で更にコンパクトに出来ないかと働きかけたところ、最終的にはD社様のスペックに収まったということですね。しかし、コンパクトな洗浄機を開発しようという話を持ちかけた時に、すぐにやろう、という話にはなりませんでしたよね。サクラ精機さんとしては不安も持ってみえたのでしょうね。
安田:
もともとサクラ精機さんは海外の半導体を中心に営業されているメーカーさんなので、どちらかというと自動車業界にはそれほど多く入っていない状況でした。半導体関係というと自動車業界の洗浄レベルよりもっと高い、微小な何ミクロンのゴミを取り除くことが必要な業界です。ですから、自動車業界に対して本当に優位性があるのか、開発したところでどれほど売れるのか、という不安を持っておられた。そこで我々がニーズを収集し、マーケティングし、メーカーさんに情報提供することで腰を上げていただいたという部分もありますね。
佐藤:
炭化水素という洗浄液で求められるレベルは簡易な切削粉の洗浄なので、そんな洗浄レベルにサクラ精機さんの洗浄機を使うのは高くてもったいないですよ、というイメージを持っておられた。
安田:
コスト的にマッチしないですよと。
佐藤:
そのような先入観をお持ちだったのだけど、我々が「ニーズがありますよ!」という話をした訳ですね。
安田:
はい。サクラ精機さんの技術で世の中にないこんなものが出来ませんか、というご提案をさせていただきました。ただ小さいだけの洗浄機ならどこでも出来てしまいますからね。
佐藤:
そのサクラ精機さんの技術というのは洗浄能力。
安田:
若干タクトはかかってしまうかもしれないけど、真空技術を使えることで一般的なジャブジャブ洗う洗浄よりはるかに精密な洗浄ができ、かつコンパクトな洗浄機はサクラ精機さんにしか作れませんよ、ということは繰り返しお願いしました。
坪井:
小さくするという事に対して弊害がない訳ではありません。やはり設計からやり直さないといけないので、羽根田商会が加わって2年ぐらいかかりました。インライン洗浄機は、すぐ図面を引いて出来たものではないんです。大きくする分にはいいのですが、小さくするというコンセプトはなかなか開発が難しいと聞いております。
佐藤:
そもそも羽根田商会が洗浄機を扱い始めたのは何年ぐらい前でしたっけ?
坪井:
10年ぐらい…10年以上前からですね。
佐藤:
10年以上前から洗浄機を扱っているのですが、洗浄がこれからの主流になるという感触はあったのですか?
坪井:
もともと洗浄というのは付加価値を産む工程ではなく、どちらかと言えばしいたげられていた分野です。しかし洗浄が上手くいかないと次の工程でも問題が残ってしまう、ということが最近分かってきました。そのため、そこを押さえないといけない。洗浄自体はお金を産まないかもしれないけど、トータル的には不良品が出ないとか、品質が向上する、ということになるものですから、そこにも力を入れないといけないと思います。
佐藤:
溶剤の変化とか環境対応とか、そのような流れの中で、我々はサクラ精機さんというメーカーさんを見つけた。溶剤が外に出て行かないという意味では環境面もよく、また洗浄能力もかなりあるという洗浄機に出会い、それを小型化したということですね。 真空 超音波洗浄のメリットというのはどのようなものなのですか?
坪井:
そもそもサクラ精機さんは、医療用の滅菌装置からスタートされた会社です。菌が装置外へ出ていってしまっては大変なことになってしまう、そういう技術を持って洗浄の分野に参入された会社です。今回の真空 超音波洗浄の根底にはその滅菌技術をベースに設計されたと聞いています。
佐藤:
医療機器の洗浄機が半導体の方に展開した。今度は自動車関係にという感じですね。真空にして超音波で洗うというニーズは最近出てきたのですか?
安田:
通常、開放型といわれるもので洗浄しようとすると、止まり穴のワークなどは、液につけたときに空気溜まりが残ってしまいます。その状態で超音波を当てても、液が浸透していないところは綺麗に洗浄出来ないという難点がありました。しかし、サクラ精機さんの“真空で脱気する”という技術を使うと、液が脱気するので空気溜まりがなくなり、ワークの隅々まで液が浸透するのでワークの隅々まで洗浄することができます。また、開放型で超音波を当てると、液中の脱気できない無数の空気溜まりが超音波の当たる方向を邪魔してしまうことがあるのですが、脱気することにより、より直線的にそのターゲットを捉えることができ、非常に高い洗浄効果を生むというメリットもあります。
佐藤:
最近の機械加工品は非常に精密で微細な加工をするようになってきて、小さな穴なども増えてきている。そこで、真空で脱気して超音波を当てることで隅々まで綺麗に洗う事が出来る、それが真空超音波のメリットということですね。洗う方式と溶剤との組み合わせは色々と難しいと思うのですが…。
坪井:
水・臭素系・炭化水素の洗浄として使われている溶剤は全部対応出来ます。2つ一緒という訳にはいきませんので、水は水、炭化水素は炭化水素、臭素系は臭素系ということであればご提案可能です。 それとよく言われているのは炭化水素の溶剤の規制。いわゆる1000・以上は消防法の対象になる規制です。この制限は溶剤の容量だけではなく、現場全ての溶液の容量が対象になりますので、この洗浄機を使いますと、非常に少ない溶剤の量ですむというメリットもあります。
佐藤:
だからこのインライン洗浄機は、1000・という規制にもある部分マッチしているということですよね。
安田:
ひと窯で30・ぐらい。リザーブタンクが3つ付いているので、90・ぐらいしか溶剤を使わないんです。大型のものも処理は出来ますけど溶剤の量は相当ですよね。ものも大きいですし。だから、ちょっと洗いたいけど洗浄機を導入するには・・・というような方におすすめ出来ます。
佐藤:
今までは洗浄機というと大きいイメージがあり、導入は難しいなぁと思われていたところでも、今回のインライン洗浄機であれば、使えるかもしれないということですね。 お客様の加工状況や部品の形状によって提案していくのですが、今回作った羽根田インライン洗浄機は、どのくらいの大きさまで洗えるものなのですか?
安田:
150角ぐらいまでは可能です。
佐藤:
非常にコンパクトにもかかわらず、150角ぐらいのものは洗える、そういうものが出来たという事ですね。今後はお客様にどのような提案を行っていきますか?
坪井:
加工自体、金属加工から塑性加工という流れになってきており、金属加工が少なくなってきています。ですから塑性加工の次にラインに入れて洗浄して組付ける、そういう時代に入ってきているのではないかと思います。プレスも小さくなってきているので、塑性加工の次に羽根田インライン洗浄機を入れるというご提案が一つと、航空機産業などにもご提案していきたいと思っています。
佐藤:
安田君としては、このあたりが面白そうだなぁとかあるのですか?
安田:
まだ最終工程の洗浄だけで製品化されているお客様もいらっしゃいますので、そのようなお客様には、ある工程とある工程の間にインライン洗浄機を入れることによって品質を向上させることができますよ、というご提案ができるなとは思っています。後は・・・そうですね、インライン洗浄機は、条件設定さえしてやれば起動ボタンを押すだけで、洗浄して乾燥して出てくる、という非常に作業性もよく、誰が使っても同じ品質が保てるというものですから、そのようなことも含めてお客様に提案していければいいと思っています。
坪井:
D社様も、海外でも国内で洗浄したレベルと同じレベルの洗浄を行いたいとおっしゃっていました。国内で作るのと海外で作るのと、品質が違ってしまっては困りますからね。
佐藤:
ワークを入れてボタンをポンと押せば、誰がやっても同じ品質のモノが世界中に出てくると。海外の工場で外国人の方がやっても同じ品質が保てる、というのが理想という事ですね。 テスト洗浄のご要望のあるお客様にも対応出来ますよね?
坪井:
はい。ワークを貸していただければ、計測結果をお付けしてお出しできます。
佐藤:
これからお客様にしっかりとご提案していかないといけないですね。 今日はどうも、ありがとうございました。
坪井・安田:
ありがとうございました。
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